リハビリ関連の専門職の共通点と相違点

リハビリを行うことを専門とする国家資格には、「言語聴覚士」「理学療法士」「作業療法士」の3つがあります。
これらの違いをまとめると、以下のようになります。

「言語聴覚士」とは、言語や聴覚・嚥下などに障害を持つ人を対象にして、リハビリを行う専門職です。
声の出し方や食べ物の飲み込み方の指導をしたり、補聴器装着訓練などを行い、機能の回復を目指します。
「理学療法士」は、日常生活に必要な動作について、加齢や病気や怪我で身体に障害を抱えた人にリハビリを行う専門職です。
立ったり座ったり、食べたり飲んだりといった動作が行えるように、運動療法や筋力訓練などを行います。
「作業療法士」は、基本的動作能力・応用的動作能力・社会的適応能力についてリハビリを行う専門職です。
病気で身体に障害を抱えた人や精神的な病気を抱える患者が対象で、身体の機能の改善や地域活動への参加や就職の実現に向けてサポートをします。

働く場所に関しては、3つとも医療機関やリハビリを行っている事業所、保健センターなどが主で、あまり大きく異なりません。
ただし、作業療法士だけはメンタルクリニックでも働くことができるという違いがあります。
給与に関しても、勤務先や地域によって差はあるものの、全国平均では年収は3つの職種にそこまで差はありませんでした。

これらの職種に就くには、国家試験に合格する必要があります。
国家試験は年に1回行われており、令和5年の合格率は「言語聴覚士」が67.4%、「理学療法士」は87.4%、「作業療法士」が83.8%となっています。
言語聴覚士は他のリハビリ関連の資格に比べ、合格するのが難しいことがわかります。